===== RMG流エッジトレーダー活用法 =====

「鞘取りなんて難しくない」
誰でもできる、レイダーズ流「テクニカル鞘取り」入門

≪第6回≫

 先月号では、季節的変動要因を利用した、灯油の限月間鞘取りを紹介した。先月号の記事を書いていたのが8月21日だったから、この記事を書いている9月9日現在では、あれから20日が経過したことになる。それでは早速、その後の鞘の変化がどのようになったかを検証してみることにしよう。

<灯油限月間鞘取りの検証>

 前回は、最需要期である12月限を中心に、その周辺限月の変化を説明したのであるが、前回の内容を振り返るために、先月号の記事をここに抜粋しておく。

 「F図は、この原稿を書いている2002年8月21日に、2003年3月限が発会したときの鞘型である。今後昨年同様に3月限がここから更に売り込まれていくのか、それとも今年の値動きのパターンを踏襲して、時間の経過とともに左肩下がりに期近限月が崩れていくのか、状況を見極めながら鞘のポジションを組んでいく必要があるだろう。いずれにせよ、12月限が一番高値に位置するという構成には変化はなさそうである。だから基本的には12月限を買い、11月限売りと2月限3月限売りで対処することになるだろう。このときも、3月限が発会後急激に売られたなら、あまり深追いをしないことが大切である。可能性としては、今年の場合は左肩下がりとなっているので、10月限の納会までの間に、11月限と2月限の位置関係は逆転して、11月限の方が下になる可能性が高い。

 それではその後の値動きがどうなったか、実際に鞘型の変化をご覧になって頂きたい。ここで鞘型グラフをF図と表記してあるので、今回もそのまま8月21日時点の鞘型のグラフをF図として表記する。そのわずか6日後の8月27日の鞘型を示したのが、G図である。縦の赤色の破線が、11月限と2月限の位置を示している。価格水準は、12月限をゼロとして、12月限に対するプラスマイナスで相対表示してある。これをご覧になればはっきりとわかるように、2002年11月限と2003年2月限の位置関係は、想定していた通り大幅に逆転したことがわかる。

F図 G図

 この11月限と2月限の鞘の変化を追ってみるために、鞘チャートに描いてみたのが、(1)図である。これは2003年2月限から2002年11月限を引いた鞘を、2月限の発会からずっと描いたものである。これを鞘型チャートと一緒に見て行くことで、各限月間の鞘がどのように変化したかという情報に加え、個別の限月間の鞘変化がはっきりと見えてくるのである。
 鞘の数値がマイナスということは、2月限の方が11月限よりも安いという意味で、逆鞘状態を示している。8月21日の大引け時点では、鞘はマイナス260円だったが、8月27日の大引けではプラス990円となっており、この短い期間になんと1250円も鞘が変化している。これは1枚ずつのセットでも12万5千円の利益幅(商品倍率100倍)であるから、そこから2枚分の手数料(オンライントレードなら2千円程度)を差し引いたとしても、12万3千円と十分な利益が得られている。この取引に必要とされる証拠金は21万円(1枚10万5千円)であるから、投資効率はすこぶる良いと言えるだろう。ただし、実際にはリスクを考慮して、この数倍の資金を準備しておく必要はある。

図(1):「東京灯油2003年2月限−2002年11月限の鞘チャート」


 11月限と2月限の位置関係は描いていたシナリオ通りの展開となったが、G図をご覧になればおわかりのように、12月限と3月限の関係は、残念ながら思ったような展開とはならなかった。例年の鞘変化のパターンとは異なり、3月限は発会当日こそ大幅な逆鞘で売られたものの、その後は反対に買われて、12月限に対し逆鞘が縮小する値動きを見せた。
以下の(2)図をご覧になって頂きたい。これをご覧になれば、発会日の寄付きから大引けにかけては大幅逆鞘まで売られて長大陰線となったものの、それから後は一気に逆鞘を縮小する値動きとなっていることがわかる。

図(2):「東京灯油2003年3月限−2002年12月限の鞘チャート」


 こうした値動きとなる可能性が今年はある程度予測されたので、前回「3月限が発会後急激に売られたなら、あまり深追いをしないことが大切である」と警鐘を鳴らしておいたのである。今年の場合、3月限発会前に、大半のトレーダー達が、期近、あるいは期中限月を買って、先限を売る計画を話していたので、それだけ大勢のトレーダーが狙っているものが、うまくいくはずがないと考えていたからである。
 相場は皮肉なもので、見えたと誰しもが思った瞬間に姿をくらましてしまう。大勢が上がると思えば思うほど、逆に下がっていく。だから相場の世界で生き残るためには、絶対に主観的であってはならない。自分がどう思うかは自分の理屈でしかない。大切なのは相場がどう動きたがっているかを理解することである。自分のことすら他人事のように考えられる、究極の客観性を持つものだけが、相場の世界では勝者となれるのである。しかし、人は勝者になると必ず奢る。奢る心は客観性を失わせる。そしていつかまた転がり落ちていく。そんなことを繰り返しながら、勝ちも負けも平常心で淡々と受け入れることができるようになってくると、やっとどうにか相場からおこぼれを頂戴できるようになってくるのである。

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